この度、大分県の水産業者様(有限会社河内水産)との長年の研究テーマであるブルーカーボン(海草繁茂などによる温暖化対策)に関する研究成果の一部が、理化学研究所、並びに北里研究所においてプレスリリースされましたのでご報告させていただきます(共同研究グループ: 理化学研究所、北里大学、日環科学、三六九、サーマス、京葉ガスエナジーソリューション、河内水産)。
学術論文 : Environmental Research (2023年2月号)
出版に先立って、電子版として公開されています。 [関連URL]こちらへ
(Environmental Researchは環境科学系の伝統あるヨーロッパの学術雑誌です<1967年発行>)
河内水産様は、大分県の佐伯市蒲江でヒラメ、並びにカワハギの養殖を中心に手掛けておられます。長年、好熱菌を活用した発酵飼料の利用を継続しています。
発酵飼料を使用し始めてから、しばらくして、養殖施設付近の海草繁茂の傾向が確認されていたのですが、この状況を公開する術がありませんでした。しかし、海草の繁茂は、温暖化対策をする上で、森林土壌の40倍の二酸化炭素貯留効果があることから世界的にも重要なことであるために、研究データを蓄積してきました。
そこに、大分県の公的な疫学データを使用させていただけるというご支援もあり、機械学習や因果推論という最新の計算手法を活用して確固たるものとなりました。
養殖施設での海草の繁茂は、一般的に難しく、河内水産様では、環境に優しい環境保全型の養殖として、ブランド普及に努めています。実際に、栄養価も高くなっています。
しかし、今後は、この地域全体が、海草繁茂を守る養殖地域として大きなブランド価値を牽引し、国内のみならず世界に発信して欲しいと願っています。
サーマスでは、特定の好熱菌を活用して、豚が肥満しにくい生産方式を活用したノンメタポークの販売に成功していますが、食肉と水産の販路はまた簡単につながらないこともあり、販売協力ができていません。
ただ、水産業界では、餌代も高騰している中、またここ近年は、コロナ禍による飲食店の厳しい状況も重なり、生産者全体が苦労してきています。
今回の公開がきっかけとなり、このような環境に優しい養殖をしている魚の流通が促進されることを期待しています。
養殖魚は世界的にも増えてきましたが、何を食べているのかということが明確であることから(自然界では何を食べているのか不明)、本来は、通常の畜産のお肉や卵などと同じように捉えられる必要があります。
今後、多くの皆様に認知していただく機会となれば幸いです。
[理化学研究所におけるプレスリリース]
こちらへ
[北里研究所におけるプレスリリース]
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[河内水産様の関連URL]
テーマ名: 海が綺麗になる養殖は、こちらへ(youtube動画)
[弊社研究情報]
プレプリント関連URLはこちらへ(コーネル大学プレプリントサーバ)
(ウイルス制御関連のプレプリントサーバURLはこちらへ)
共同研究機関(理化学研究所)によるプレスリリースURLはこちらへ(昆虫を介した環境保全に関わる研究: オランダの環境科学雑誌)
共同研究機関(理化学研究所)によるプレスリリースURLはこちらへ(家畜由来の温暖化ガス発生抑制に関する研究:イギリスの応用微生物学雑誌)
共同研究機関(九州大学)によるプレスリリースURLはこちらへ(同上)
日本農芸化学会2022年トピックス賞こちらへ(好熱菌発酵産物が化学肥料の削減と土壌の温暖化ガス発生抑制に影響しうる作用機序に関する研究)